数字を読む力は、経営者にとって最強の盾である
2025年6月26日
数字を読む力は、経営者にとって最強の盾である
「経営にとって最も重要なことは、まず負けないこと」
なぜ数字が「盾」になるのか?
相談を受けるなかで心の底からこう思う瞬間があります。
「数字が読めていたら、こんなことにはならなかったのに――」
・不必要な設備投資
・将来の返済を見通せない借入
・現実から乖離した夢だけの計画
こういった事態の多くは、過去の数字を正しく読み解いていれば防げたものでした。
帳簿や決算書は、あなたの会社を守る「盾」です。
敵は外からだけでなく、内側にも潜んでいます。楽観、焦燥、思い込み――。
数字という盾は、そうした感情の矢を受け止め、冷静さを取り戻させてくれます。
準備不足こそが最大のリスク
経営の世界では、「やってみなければ分からない」という言葉がよく使われます。
しかし、それは言い換えれば、「準備不足でも突っ込んだ」ということ。
旅行に出かける前に、地図も見ず、行き先も決めずに出発するでしょうか?
・目的地までの資金は足りているか
・途中で立ち寄るべきポイントはどこか
・渋滞や通行止めといったリスクはあるか
・そもそも運転免許は持っているのか?
これらを確認するのが決算書であり、数字を読む力です。
帳簿は単なる記録ではなく、未来のリスクから自分を守る防御装置なのです。
自分自身と向き合う「もう一人の声」
決算書に並ぶ数字は、過去の自分が残した記録であり、声でもあります。
売上、仕入、経費、利益、そしてキャッシュ――
それらはすべて、「あの時、自分がどう判断したか」を映し出しています。
未来は誰にも見えません。けれど、過去を読み解く力は、未来への備えになる。
数字と静かに向き合う時間を確保し、もう一人の自分と対話しましょう。
「勝ちたい」なら、まず「負けない」準備を
大きく勝ちたいと願うなら、まずは沈まない経営を目指すこと。
数字を読めるということは、攻める準備ができていることでもあり、
同時に、守る力を備えていることでもあります。
会社を潰すのは、競合ではなく「油断」と「誤算」です。
それを防ぐ盾が、あなたの帳簿であり、決算書です。
経営者にとって「数字を読む力」とは
・慢心から身を守る盾
・感情的な判断を止める盾
・未来に備える盾
この盾を磨き続ける者こそが、長く生き残る経営者です。
数字を読む力は、経営者にとって事業の未来を守る最強の盾となります。
その盾を持つかどうかは、日々の数字を読む、
週次で数字を読む、
毎月の月次決算を読む、
その反復作業の先にあります。
お金では買えません。
地道な反復の積み重ねの先に、希望ある未来が待っています。
まずは今日、帳簿を開くことから始めましょう。